総合型選抜/学校推薦型選抜とは何か
総合型選抜/学校推薦型選抜もまた「学力」を測っている
試験である以上、このことは否定できません。
ただ、科目の学習到達度を測る一般選抜とは、「学力」の定義が異なるだけです。
人間の能力は多様であり、それを測る「ものさし」もまた多様です。
総合型選抜/学校推薦型選抜では一般選抜とは異なる「ものさし」で受験生の能力を測っています。
そして、大学や学部学科、入試方式によってもその「ものさし」が少しづつ違っていることが特徴です。
総合型選抜/学校推薦型選抜で志望校合格を目指すのであれば、その大学/学部学科/入試方式が使っている「ものさし」がどのようなものであるかを知っておく必要があるはずです。

大学には測りたい受験生の能力がある
異なる視座から問題を眺めてみましょう。
総合型選抜/学校推薦型選抜は、実施する側から見ればとても手間のかかる試験です。
大学教員は、自分の研究・授業・大学の業務で多忙なのに、志望理由書や課題レポートを読み、小論文を採点し、面接試験の審査官を務めたりと、この試験に相当な時間と手間を奪われます。
にもかかわらず大学がこの試験を実施するのは、一般選抜では測れない、言い換えれば総合型選抜/学校推薦型選抜だからこそ測ることができる「受験生の能力」があると考えているからです。

総合型選抜/学校推薦型選抜はプレゼンテーションである
以上を踏まえたうえで論理的に考えれば、受験生がやるべきことは一つです。
すなわち、大学が受験生に求めている能力を修得し、それをステートメント(志望理由書などのエントリーシート・事前課題)、選抜方法(小論文・面接など)の各プロセスで大学に明確に伝えることができれば合格します。
ですから、総合型選抜/学校推薦型選抜は「大学から求められた能力を受験生がプレゼンテーションする機会」だと言えます。

大学が受験生に求める能力を正確に把握する
大学が受験生に求める能力を備えた理想の学生像を「ペルソナ」と言います。
「ペルソナ」を正確に捉えることにより、どのような能力を修得しアピールすればよいのかが判り、受験勉強の方向性が定まります。
① 志望校の「ペルソナ」はどのような能力か
②「ペルソナ」を効果的にアピールするために自分の経験/実績をどのように使うか
③ ステートメント作成から選抜方法までの各入試プロセスで「ペルソナ」をどうやってアピールするか
この3点をしっかりと考えることが、受験戦略のベースとなります。

この「受験戦略ガイドⅠ」では、上記3点の戦略について、段階を踏んで項目ごとに詳しく解説していきます。
総合型選抜/学校推薦型選抜の受験において、偶然に頼ることなく合格を確実にしたい受験生の皆さんのお役に立てれば幸いです。

もくじ
テンプレ式小論文答案作成法を否定したうえで、まず小論文答案作成のための知識と技術について解説し、次いで独自の問題の捉え方や創造的なアイディアの生み出し方など、小論文答案に書くべき内容面について詳細に解説します。
ペルソナ分析ガイド
大学が当該入試方式において求めている受験生の資質(ペルソナ)を正確に把握するための方法、分析する対象となる情報リソース、ペルソナの分類と具体例、ペルソナを受験戦略に組み込む方法、ペルソナ分析の事例、などについて解説します。
Comming soon…
エントリーシート作成ガイド
志望理由書・自己PR書/自己推薦書・活動報告書・学習計画書/研究計画書などエントリーシートの各フォーマットに適応した文書の書き方、経験/実績の効果的な使い方、エントリーシートでペルソナを効果的にアピールする方法、エントリーシートの実例、などについて解説します。
Coming soon …
事前課題レポート/論文作成ガイド
①課題図書型・②フィールドワーク型・③探究型に分けて、テーマとリサーチクエスチョン(問い)の設定の仕方、考察・研究方法、推論の方法、参考文献の使い方、データの用い方、レポート/論文の文章の構成とまとめ方、その他注意事項、などを解説します。
Coming soon …
面接試験対策ガイド
想定問答集に頼る型にはまった対策ではなく、想定外を含むどのようなことを質問されても、また「フカボリ質問」をされても、的確に対応できるための方法論について解説します。過去の実例も紹介します。
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グループディスカッション演習ガイド
グループディスカッションの分類、類型ごとの演習方法、演習におけるファシリテーターの役割とその重要性、自分の役回りの設定の仕方、過去の実例、などについて解説します。グループディスカッションはただ話し合いの練習をすればよいというものではなく、一定のレベルの議論を行い本試験で効果を発揮するための実践的な方法論が存在します。
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プレゼンテーション演習ガイド
プレゼンテーションの類型、テーマ型の内容のまとめ方、研究型の内容のまとめ方、質疑応答への準備と対応、効果的な演習の方法、その他注意点、などについて解説します。プレゼンテーションは事前に準備できる場合は内容のまとめ方が重要です。演習もただストップウォッチで時間を計って話す練習をすればよいわけではなく、効果的な演習方法が存在します。
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