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海外就学者/帰国生入試完全ガイド

出願の準備


志望校選び

帰国生入試を検討する際、志望校選びはとても重要な最初のステップです。
日本には多くの大学があり、それぞれが独自の入試方式を設けています。
あなたの興味や将来の目標、語学力のレベル、海外での学習内容などを考慮して、適切な大学を選び、志望校リストを作りましょう。

機会があれば、興味がある大学のオープンキャンパスに行くこともおススメです。

 

また、複数の大学を併願する場合には、専願(合格後の入学の確約が求められる)か、併願を認めているか(合格後入学辞退が可能)、確認が必要です。
専願校と併願校、併願校同士は出願可能ですが、専願校同士を同時期に出願することはできません

以下の観点から、自分に重要だと思える項目を軸に、志望校をリストアップしましょう。

    • 自分の興味や将来の目標につながる学部・学科のある大学を探す
    • 英語での授業や国際プログラムの有無を確認する
    • ステートメントや選抜方法の難易度、倍率をリサーチする
    • 過去の入試問題や出題傾向を分析して、自分とのマッチングを考える
    • 大学の所在地や環境、設備などキャンパスライフも考慮する
    • ラーニングシステムやゼミナール、資格取得サポートなど教育の充実度は大事
    • 学費や奨学金制度も重要な選択基準となる

戦略的観点
多くの大学では、国内学生向けの総合型選抜・学校推薦型選抜(公募推薦・自己推薦)で、海外の学校で就学した学生の出願を認めています
「帰国生入試」が、受験生の日本語能力の審査を重視している(入学後の受講能力や課題をこなす能力などをみています)のに対し、これらの入試方式では、外国語能力の審査を重視した選抜方法を採っている場合も少なくありません。
どの入試方式が自分にとって有利かをよく考えて、志望校と入試方式を選ぶことによって合格率が上がります。


出願資格の確認

志望校リストを作ったら、次にリストアップした大学の入試方式において、自分が受験資格を満たしているかどうかを確認することが重要です。
これらは、大学や学部学科、入試方式によって異なりますので、志望校のウェブサイトや入試要項で必ず確認しましょう。

多くの大学は、出願に以下のような条件を設けています。

 

  1. 日本国籍の保有者
  2. 外国において、学校教育における12年の課程を修了又は修了見込みの者
  3. 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者および修了見込みの者
  4. 外国の大学入学資格(国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCEAレベル、国際Aレベル、欧州バカロレア資格など)を保有する者。ただし、海外の大学入学資格のレベルに基準を設ける場合がある(例:国際バカロレアでフルディプロマを取得していること)
  5. 国際的な評価団体(WASC、CIS(ECIS)、ACSI、NEASC、Cognia)の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了した者
  6. 英語資格・検定試験のスコアが指定の水準を満たしていること
  7. 海外での在住期間が基準以上であること
  8. 海外の教育機関での就学期間が基準以上であること                           
  9. 国内の教育機関での就学期間が基準以内であること
  10. 資格取得後の期間が基準未満であること

不明な点は大学の入試課に問い合わせをしてみるとよいでしょう。
また、「出願前資格審査」を設けている大学もあるので、不安のある方はぜひ利用しましょう。


出願書類の準備

出願条件を確認したら、早めに必要書類を集め始めることをお勧めします。
特に海外の学校からの証明書の取得には時間がかかることがありますし、書類によっては発行に手数料がかかるものもあります。

 

日本語・英語以外の言語による書類の場合、大使館など大学指定の機関に翻訳を依頼し、日本語訳を添付する必要があります

また、多くの書類は原本の提出が求められています。
原本が提出できない場合は、大学や出身校から正式な複製(コピー)であることの証明を受ける必要があります。

大学から提出を求められる書類には以下のようなものがあります。

  1. 卒業証明書 
  2. 外国学校の在籍期間証明書 
  3. 在留期間証明書
  4. 英語資格試験のスコア証明書
  5. 国際バカロレア資格証書
  6. 成績評価証明書(トランスクリプト) 
  7. 国籍を証明する書類(パスポートのコピーなど)

指定の書類が存在しない場合の対応については、入試要項をよくチェックし、それでも不明であれば、大学の入試課に直接問い合わせてください。
また、帰国生入試の細部は毎年変更される可能性があるため、最新の入試要項や大学のウェブサイトの「おしらせ」で確認しておきましょう。
事前にしっかりと条件を把握しておくことで、出願時のトラブルを避けることができます。


Column 1

AIで英語を学ぶ?


 
谷口恵子氏の『AI英語革命』は、ChatGPTを使った英語学習のノウハウをまとめた1冊です。
ChatGPTで英会話、リーディング、ライティング、リスニング、単語、文法などが学べます。

各試験の傾向に合わせた練習問題も作ってくれますし、自分のレベルと必要性に合わせたマイペース学習が可能です。
AIは上手く使えば、英語学習においても効率性を高めることのできるツールです。
この書籍には、巻末にプロンプトリストが添付されていて便利です。
興味のある方はご一読を!

 

Column 2

帰国生ネットワークの活用


 
同じ経験を持つ同級生や同先輩との情報交換は非常に有益です。
現地の日本人学生たちとネットワークを作って情報交換をするとよいでしょう。
また、帰国生向けのSNSグループやコミュニティ、帰国生対象の説明会などに積極的に参加して、最新情報や体験談を集め、人脈を作りましょう。
総合型カフェでも何人かご紹介できる方がいます。

 

Column 3

複数の入試対策を並行して進める!


 
帰国生入試の募集人数は限られています。
総合型選抜/学校推薦型選抜(公募推薦・自己推薦)も含めて受験を検討し、複数の大学/入試方式を併願して受験するべきです。
また、一般選抜での受験でも英語資格試験のスコアを利用できる方式があるので、視野に入れておくと安心です。
マルチタスクは少々大変ですが、それぞれの入試方式に対応できるよう、スケジューリングをしっかりと行い、バランスの良い学習計画を立てましょう。

 

Column 4

バイリンガルへの道


 
本ガイドトップページで、授業で日本語の説明を英語でメモする生徒さんについて触れました。
言語が異なれば概念や思考も異なりますが、彼らは二つの言語の間でその境界が曖昧になっています。
それでも言語を使いこなし思考できるという点で、環境が育んだ特殊なスキルの持ち主と言えます。
しかし、思考プロセスの効率が良くないことは否めず、日本語の概念を用いて思考することが必要な小論文試験では明らに不利となります。
外国語モードと日本語モード、完璧は難しくとも、状況に応じて適切に切り替えができてこそ真のバイリンガルと言えます。
日本語で読み書きするときは、日本語での思考を意識して、モード切り替えの訓練をしましょう。